ビル・エバンスを聴く。

「Consecration The Last」。サンフランシスコ、キーストン・コーナーでの実況録音。
エバンスの晩年の愛奏曲、「Up With The Lark」。アナウンスと拍手と歓声の中で、そっとピアノを爪弾くエバンス。優しい音色がそっと拍手をかき消す。ベースとドラムスが加わり、美しいテーマに続き、エバンスのピアノが空に駆け登る。スポットライトがマーク・ジョンソンに移り、一気に静寂が訪れる。ジョンソンをそっと支えるエバンスのピアノが、まるで竪琴のよう。
ポール・サイモンの佳曲、「I Do It For Your Love」。エバンスのピアノが、この上なく美しく咽び泣く。
「Theme From MASH」。転調しながらテーマを繰り返す。その手触りは、仄かに冷たい。
そして、最後を飾る「Someday My Prince Will Come」。誰もが馴染みのメロディ。生命を燃料にして走る機関車。ジョー・ラバーバラは、ひたすら薪を放り込み、ジョンソンのベースが、力強く線路を蹴る。想いを天に届けるピアノ。
国内盤は、
「コンセクレーション〜ザ・ラストVol.1」(ASIN:B000008892
「コンセクレーション〜ザ・ラストVol.2」(ASIN:B000008893
「コンセクレーション〜ザ・ラストVol.3」(ASIN:B000008894
「コンセクレーション〜ザ・ラスト(8枚組)」(ASIN:B00005GI9J
おまけ(ヴィレッジ・ヴァンガードでの実況録音。メンバーは「コンセクレーション〜」と同一。)
「ターン・アウト・ザ・スターズ〜ハイライト」(ASIN:B00005HGAZ
「ターン・アウト・ザ・スターズ〜ファイナル・ヴィレッジ・ヴァンガード・レコーディングス(6枚組)」(ASIN:B00005HGAY