倶楽部:今宵、銀河を杯にして

ほい、ニッカウヰスキー水割り一杯目です。
今日のツマミはこれ。

ジャズギタリストとしてマイペースな活動を続けるケニー・バレルの若かりし頃の快演です。当時のブルーノートのライブ盤といえば、連番の2枚組で、全部聴くともうお腹一杯なんてのが一般的だったのですが、これは一枚もので、腹八分目でちょうどいい感じです。
サイドを固めるボビー・ティモンズ、ローランド・ハナ(ピアノ)そして、大御所アート・ブレイキー、テナーのティナ・ブルックスと揃えば、50年代後半から60年代前半のジャズが好きな人には、もうたまりません。
冒頭のイントロダクションに続き、ガレスピーのバークス・ワークスを取り上げます。ボビー・ティモンズの起用は大正解で、イントロで、リラックスしたライヴの雰囲気を完璧に定義してしまいます。
2曲目のハレルヤでは、デーローレーローという印象的なパターンに乗ってテーマが提示され、続いてバレルとハナが速弾きを聴かせてくれます。しかし、なんといっても圧巻はアート・ブレイキーで、スリル満点のドラムソロを展開します。ジャズを図るものさしがあるとしたら、それは、チャーリー・パーカーでも、マイルス・デイビスでもなく、まさしくアート・ブレイキーでしょう。
続くレディ・ビー・グッドでは、ティナ・ブルックスが若々しい熱いソロを聴かせてくれます。
多くのジャズ演奏家に愛されるバラッド、ラヴァー・マンでは、乾いた音色で、適度に甘く、適度にブルージーなバレルも勿論のこと、ボビー・ティモンズ表情豊かなピアノが聴き物。
そして、最後にさらりとブルースを演ってしまうのが、バレルの真骨頂。ブルースが彼の本質です。それは、さながら、食後の熱い緑茶の苦味で、食後の心地よい満腹感から、意識を日常に戻してくれます。
えーと、本当にツマミにしてるのは、なとりのちーたらです。